今回から始まりました「連載チバボン」
なにやら有名アニメのパクリと思われるかもしれませんが、いたって真面目な企画です。
千葉に関係がある本を読者の方々にご紹介しようというものです。
ここで言う“千葉に関係がある”は著者でもテーマでも場所でもOKとします。
たとえば
・小説の舞台設定が千葉。
・千葉で料理教室を開いている方のレシピ本。
・千葉在住の絵本作家。
・千葉の学校を卒業されたカメラマンの写真集。
など広義で捉えています。
連載企画として考えていますので、もしかすると“あっ”と驚く方に原稿を依頼するかもしれません。
どうぞお楽しみにしてください。
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それでは初回にご紹介します本は
『半農半X(エックス)の種を播く』 塩見直紀と種まき大作戦 編著 コモンズ発行
です。
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本書を手に取られた方から「千葉とどこが関係してるねん!」と突っ込まれるかもしれませんが、ナント編集者が千葉在住なのです。(笑)
それだけではありませんよ。本書の中にはちゃんと千葉在住、マクロビオティック料理家の中島デコさんや、自然酒蔵元の寺田優さんなどが登場されています。
私はまずタイトルに惹かれました。「半農半X(エックス)」!?なんだなんだ。
本文より引用しますと、
「半農半XのXとは天職、使命、ミッション、ライフワーク、生きがい、役割などを表し」
ているそうです。また
「接続可能な小さな農ある暮らしをし、与えられた才能や大好きなことを世に活かす生き方・暮らし方を意味する」
そうです。
数年前に書店店頭では『セミリタイヤ』なるタイトルの書籍がたくさん並んだものでした。
日本列島が未曾有の不景気に差しかかったころ、疲弊しきった50歳前後のサラリーマンを中心にこの『セミリタイヤ』が囁かれはじめました。
都心に暮らしながら週末は郊外の畑を耕す体験談や、将来田舎で暮らせるように自給自足の方法を学ぶ実用書といったものです。
しかし本書のメイン購買層は30歳前後の世代だというのです。
これはこの数年の間に「環境問題」が深く社会に浸透したことを意味するのではないでしょうか。
話は逸れますが先日テレビを観ていると、渋谷のギャルが田舎に行き農業を手伝っているという特集が組まれていました。
多分にテレビならではの演出も含まれているとは思いますが、若い世代も「環境問題」「自給自足率の低下」に関心を示しているようです。
本書は地方に住み(小さな)農業を営みながら歌手活動、アクセサリー作家、ペンションオーナー、木工家などを「天職」とされている
約30人の暮らしぶりを紹介しています。一人にスポットを当てず、30人のサンプルを紹介したことで読者はより自分の理想とする
「半農半X」のイメージを描きやすくなっていると思います。
ここで紹介された方に共通していることは、みなさん「自然体」で生活されているということ。
「人間らしさ」というのはきっとこのような生活から生まれてくるのではないでしょうか。
読後感はなんとも言えない「居心地の良さ」を味わえました。
最後に千葉の『鴨川自然王国』で農的生活を実践している歌手の加藤登紀子さんの言葉をご紹介します。
「自分で自分の家をつくろうというのは、消費経済というか、あてがわれたものはいやだって、自分のやり方で自分は生きたい
ということだから、あなたは革命を起こそうとしているってことよ」
私も小さな革命を起こしてみたくなりました。 |